実は私たちの身体の中でも、生きていくのに必須の栄養であるのが鉄です。
レバーやほうれん草などの食品に多く含まれる鉄分。私たちの身体は鉄を作り出すことができませんので、食物から吸収するわけですが、栄養学的に、鉄分が不足すると鉄欠乏性の貧血などを引き起こします。
血液が肺から全身に酸素を運んでいると言われますが、詳しくは、血液中の赤血球に存在するヘモグロビンが酸素を運んでいるのです。この大切なタンパク質であるヘモグロビンの合成に、必要不可欠なのが鉄分。
血液が赤いのも、ヘモグロビンに鉄イオンがあるためって、ご存知でしたか。
成人男性であると1日約1mgの鉄が使われて失われます。
人の身体に通常蓄えられている貯蔵鉄は、約1,000mg。この貯金が減ると、貧血となって現れてくるわけです。
鉄分が多いことで有名なレバーでも、1食分(50g)の鉄の含有量はわずか6.5mg。人の場合、摂取された鉄の10%だけが吸収されるので、1日約1mgの鉄が要る男性ならば、10mgを摂らなければいけない計算です。
これが成人女性となると、月経による出血があるため1日2mgが必要で、妊娠ともなると1日3mgは鉄を摂取しないといけないと言われます。お腹の赤ちゃんにも鉄分を分けてあげるためですから、責任も重大。近年はダイエットの弊害もあって貧血も多いらしく、サプリメントもたくさん出ています。
赤ちゃんだけでなく、成長期の若者にも鉄が大事な栄養なのはもちろん、逆に消化器官の弱った高齢の方でも、鉄分が不足になりがちです。
他にも地球の様々な生き物や植物にまで、鉄は栄養となっています。鉄と人との関わり。これは生きていく上で、思った以上に深くて密接ではないでしょうか。